筆者は2000年頃の仮想空間ブームの頃に仮想空間にだいぶハマってしまったクチですが、残念ながらその頃は仮想空間は普及には至りませんでした。
これは現実の平面ディスプレイ越しに見る3D仮想空間に(ゲーム以外)実質利用価値があまりなかったということだと考えています。多くの人にとっては”何もやることのないゲーム”、”ごっこ遊び”みたいな印象だったのではないかと。
しかし6DoFのVRヘッドセットの登場によって事情は大きく変わりました。それを端的に示すコンテンツとしてバーチャルデスクトップがあります。
バーチャルデスクトップとは3D空間内で自分のPCのデスクトップ画面を投影し操作ができるアプリケーションですが、これはVRでないと意味をなさないものです。
これをPCのディスプレイ越しにやっていたらどうでしょうか?
PCのディスプレイ内の3D画面内にさらにデスクトップ画面が小さく映っていてそれを見ながら操作するという非常に滑稽な状況になります。つまりこれが当時の仮想空間の限界だったわけです。
しかしVR技術の進化により私たちの視点や行為を仮想空間のレイヤーにそのままシフトできるようになったことで、これが意味のあるものに変わりました。
そして今後メタバースに現実の生活はどんどん持ち込まれるようになるでしょう。メタバース内にテレビがあって、メタバース内のスタジオで放送される番組が放映されるなどですね。
メタバースは現在バズワードと言われますが、これはただのバズワードではなく、VR技術の発展という背景があってのことだろうと考えています。
Meta社はメタバース事業を行うにあたってOculusを買収しましたが、彼らはメタバースに本当の価値を与えるのはVRであるということをよく理解しているのだろうと思います。
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